【原位置土撹拌工法】−ソイルセメント系 柱列式連続壁工

SMW工法

【SMW工法とは】 【SMW工法の原理】 【SMW工法の特長】 【SMW工法の用途】 【施工機械】

SMW工法とは

SMWとは土(Soil)とセメントスラリーを原位置で混合・撹拌(Mixing)し、地中に造成する壁体(Wall)の略称です。
SMW工法とは専用に開発された多軸混練オーガー機で原地盤を削孔し、その先端よりセメントスラリーを吐出して1エレメントの削孔混練を行いソイルセメントの壁体を造ります。連続一体のソイルセメント連続壁とするためエレメント端の軸孔を次エレメントにラップさせて造成(両端孔の完全ラップ)していきます。

SMW工法の原理

SMW工法は、原位置土を主材料としたソイルセメントによる連続壁工法です。
その原理からくる特徴は、「原位置土とセメントスラリーを混合してつくる、ソイルセメントの壁体」ということです。

■セメント・ベントナイト・水の混合液体であるセメントスラリーが原位置土と混ざることにより、土を柔らかくして機械による削孔混練を容易にします。
■削孔混練によるソイルセメントは、地中掘削により生じる孔壁の緩みや崩壊を防ぐ安定液となって周辺地盤の変位を抑えます。そのため掘削による周辺地盤への影響は極めて少なくなっています。
■ソイルセメントは、その流動性により地中に空隙をつくらず掘削した孔壁そのままの形状の改良柱体となり、それ自体で地盤改良となります。
■ソイルセメント壁は、土圧や水圧の外力に抵抗することができ、また高い止水性を有した止水壁となります。
■何よりもSMW工法の最大の特色は、造成が正回転による削孔混練と、逆回転による引き上げ混練という機械的な一工程で完結するため、早く合理的で無駄のない工法といえます。そのため施工技術の標準化もし易くなっています。

SMW工法の特長


SMW造成の地中状況

1.高い遮水性があります
完全ラップ方式により各エレメントが完全ラップされるため遮水性に優れた連続壁が造成されます。
2.周辺地盤に対する影響は少なく、地盤沈下はありません
3.工期の短縮が図れます
原位置土混練方式であり一工程で造成可能なため工期は短く、経済性に優れています。
4.多目的利用ができます
SMW壁は、遮水性山留め壁、耐土圧構造物及び止水壁に広範囲な利用が可能です。
5.大深度施工が可能です
壁厚ø850mm大口径仕様の850SMWでは、壁厚が大きいため耐力・遮水性に優れ、信頼性が高く大深度施工を可能としています。 壁の深さは最長70.0mの実績があります。
6.空頭制限下での施工も可能です
狭いスペースや高さ制限のある場所での施工には、機械高さが5〜7.5m程度の低空頭機(SMW5000シリーズ)が各種用意されています。

SMW工法の用途

SMWは、止水壁や地盤改良のようなソイルセメントのみで構成される場合と、ソイルセメントの中に芯材(H形鋼・鋼矢板・コンクリート2次製品)を挿入した山留め壁などの耐土圧構造物としての利用が可能となります。
■建築物の山留め壁


建築物の山留め壁


ビルの山留め壁面

■土木構造物の土留め壁


地下鉄等のオープン開削の ための土留め壁


共同溝、山留め壁

■崩壊防止養生壁


RC連続壁等の 掘削孔壁破壊防止 SMWガイドウォール


海峡大橋、RC連壁のSMWガイドウォール

■大深度立坑の土留め壁


大深度立坑の土留の壁 (シールド発進立坑)


シールド発進立坑

■貯水池、地下タンクなどの遮水性山留め壁


貯水池、地下タンク等の 山留め壁


沈埋函のドライドック山留め壁


施工機械


850 SMW
削孔径ø850mm (標準はø550〜650mm)
機械高さ約35m


SMW15M
リーダー高さが大型機の約1/2で同等の掘削性能、
新開発の低重心型機
特許 第3215990号

SMW -SWING
スウィングオーガー機構により 回転打ちができる新鋭機
特許 第2078206号、他


SMW 5000レールタイプ
機械高さ約5m、低空頭機として
高さ制限のある場所でも施工可能
特許 第1592782号



SMW 7500クローラータイプ
機械高さ約7.5m
 

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