ドリリングプレス工法

ドリリングプレス工法の概要

ドリリングプレス工法は特殊オーガ装置を用いた中掘りにより先端抵抗を低減させ、硬質地盤へ鋼管矢板を同時圧入する鋼管矢板中掘り工法です。特殊オーガ装置は減速機・回転反力を取る為のケーシング・中掘りを行うためのオーガスクリュで構成され、スクリュ先端には拡大ヘッドが装着されています。
また、管内から土砂を排土する為の排土ホースがケーシングに取付けられています。鋼管矢板圧入機(鋼管チルトパイラー)は圧入済みの既設鋼管を反力とし、鋼管上を自走可能であり従来工法(三点式中掘機 )の機械と比べて大きな圧入力を有しています。

特殊オーガ装置構成
鋼管矢板圧入機(鋼管チルトパイラー)

ドリリングプレス工法の特長

  1. 1.硬質地盤(N値200程度)への圧入が可能
    • 特殊オーガ装置での中掘りと圧入力の大きい鋼管矢板圧入機で同時圧入する事により、硬質地盤への対応が可能
  2. 2.周辺への圧迫感を低減
    • 大型杭打機を使用することなくコンパクトな鋼管矢板圧入機で圧入済みの既設鋼管を反力とする為、周辺への圧迫感が少ない
  3. 3.懸垂式の為、桟橋が不要
    • オーガ装置はクレーン懸垂式の為、桟橋を設置することなくまた高低差がある場所でも施工が可能
  4. 4.発生土が微量
  5. 5.ウォータージェットが不要
    • ウォータージェット圧入のように多くの水を使用しない為、近接構造物や埋設物への影響を最小限に抑える事が可能
  6. 6.低騒音・低振動
    • 鋼管矢板圧入機は油圧式なので騒音・振動が少ない
護岸工事の施工状況
ドリリングプレス工法と三点式中掘工法との比較

ドリリングプレス工法の用途

河川改修工事
港湾改修工事
耐震補強工事
道路擁壁工事
調整池築造工事
橋梁基礎工事

ドリリングプレス工法の施工機械

施工機械は鋼管仕様・土質条件・作業条件によって選定します。

  • WP-150PⅡ(φ600~700対応)

  • WP-150P(φ800~1000対応)

  • PZ-1200(φ1000~1200対応)

  • PZ-1500(φ1200~1500対応)

施工事例

一般国道134号擁壁改修工事

工事概要
擁壁改修工事及び道路拡幅工事
鋼管仕様
φ900~φ1200、杭長L=15.5m~19.5m、本数200本
施工機械
WP-150P、PZ-1200
所在地
神奈川県鎌倉市
施工期間
2014年6月〜2014年12月

平成25-26年度 徳長堤防耐震対策(その2)工事

工事概要
河川堤防の耐震補強工事
鋼管仕様
φ1200、φ1400 杭長L=29.5m~31.5m、本数37本
施工機械
PZ-1200、PZ-1500
所在地
徳島県鳴門市
施工期間
2014年8月〜2014年12月

博多港(アイラインドシティ地区)道路(IP23)橋梁下部工事

工事概要
橋梁下部工の鋼管矢板井筒基礎工事
鋼管仕様
φ1000、杭長L=23m、本数40本
施工機械
PZ-1200
所在地
福岡県福岡市
施工期間
2017年4月〜2017年6月

大和田特定土地区画整備事業 雨水調整池築造工事(第2期)

工事概要
自立式鋼管矢板の調整池土留工事
鋼管仕様
φ1000、杭長L=17.5m、本数200本
施工機械
PZ-1200
所在地
埼玉県さいたま市
施工期間
2020年1月〜2020年3月

平成30年度河川再生工事(公共)1-1
平成30年度河川改修工事(県単)37-5 合併
令和元年度河川再生工事(公共)2-1

工事概要
掘割川の親水護岸整備工事
鋼管仕様
φ1200、杭長L=18.5m~24.8m、本数51本
施工機械
PZ-1200
所在地
神奈川県横浜市
施工期間
2019年9月〜2019年11月(一期工事)
2020年7月〜2020年9月(二期工事)

名洗港海岸高潮対策及び県単港湾海岸整備合併工事

工事概要
津波・高潮対策の防潮堤基礎嵩上げ工事
鋼管仕様
φ800、杭長L=12.5m、本数102本
施工機械
WP-150P
所在地
千葉県銚子市
施工期間
2020年11月〜2020年12月(一期工事)
2021年11月〜2021年12月(二期工事)
2022年12月〜2023年1月(三期工事)

地下工事用語集

地下工事でよく使われている基本的な用語や、専門用語、技法などをまとめました。